私たちは『不要不急』に生かされている

舞台「モダンボーイズ」

主演:加藤シゲアキ

4/3-4/16 @新国立劇場 中劇場

stage.parco.jp

 

想いが風化しないために、一年前の記憶を必死に必死に掘り起こして、ここに残そうと思います。本当は、本人の口から思いを聞いて、ファンからのメッセージを聞いて、それで私の中のモダンボーイズを終わらせたかったんだけど、なかなかうまくいかないみたいで

 

憎きコロナ、けれど、コロナ禍だからこそ、こんなにも私の記憶に残る舞台になったのかもしれないと思うと、今まで見えてこなかった部分、当たり前ではないことを身を持って知れる良い機会になっているんだろうな。我慢我慢の連続の この日々にいつか終止符を打てるといいよね。近い未来にね。

 

 

今でも鮮明に思い出す、舞台上で真っ白なタキシードに身を包み 歌って踊るエフリィは、本当に美しくて輝いていて、束の間の夢を見ている気分だった。

私もいつかあの劇場の一等席でレビューを見たい、そう強く思わせられた そんな舞台で、生きにくい時代に必死にもがきながらも懸命に何かを伝えようとする姿は今の時代にも通じるんだなぁって。

 

「今こそ上演されるべき作品」と加藤さんが言っていた その意味を舞台期間を終えてようやく理解した気がする。コロナ禍で不要不急と言われるエンターテイメントは本当に不要なのか

2020年2月25日、本当に本当の滑り込みで行ってきたPerfumeの東京ドームでのコンサートを未練がましく引きずってしまう。翌日は全国ツアーのオーラス、彼女らは中止という重い決断をした。

あの日を境にライブの形は変わってしまった。次々と中止になるライブ、4人の集大成であったSTORYも、もちろん。半分も埋まらない客席、マスクにフェイスシールド、彼らの声に応えられないもどかしさ、頭のどこかで持ち続ける不安を抱えながら、もう2年が経ってしまった。

 

共存のためには譲歩し合わなければならない。頭ではわかっていても、マスクやフェイスシールド越しではないお互いの顔を見ながら、想いを言葉にしながら、ステージの上に立つ彼らと、客席に立つ私たちでつくりあげる あの白昼夢みたいな時間に、私はどうしても恋焦がれてしまう。

 

私はエンターテイメントが持つ計り知れない力を知っているから、コロナ禍の『不要不急』という謳い文句にすごくもどかしさを感じていて

わかってる、わかってるよ、一番大事なのはみんなが健康に 安心して暮らせる日々が保障されている未来だってことぐらい。エンタメなんてたかが娯楽、贅沢品、無くたってもちろん誰も死ぬことはない。

でも、たくさんの人が命を燃やして創り上げるエンタメから、私は命を貰っている、『不要不急』なものに日々生かされている。

 

 

確実に言えることは、あのタイミングで、モダンボーイズという素晴らしい舞台を加藤シゲアキ主演で見れたこと、これがどれだけ私の力になったかということで、毎日頑張って生きようと思えるのは彼らが与えてくれるエンターテイメントのおかげなんだよ、と声を大にして言いたい。

 

「私は加藤シゲアキと出会えて、幸いでした」

 

 

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