『なれのはて』感想

全443ページ、その厚みと重みに一瞬躊躇い、そして読み始める。が、何度か立ち止まっては息を吐く。本の重さを軽々と凌駕してしまうほどの内容の重厚感に圧倒され、読み終わるまでにかなり時間がかかってしまった。現在と過去を繋げ、何人もの登場人物が複雑…

奇跡の裏側に主役の後ろ姿を見る

舞台「エドモン~『シラノ・ド・ベルジュラック』を書いた男~」 作:アレクシス・ミシャリク 台本・演出:マキノノゾミ 主演:加藤シゲアキ 2023/4/1-4/16 @新国立劇場 中劇場 2023/4/22-4/24 @東大阪市文化創造館 <あらすじ> 1897年12月、パリ。2年も書…

私なりの糸の結び方を探しながら

舞台『粛々と運針』 作:横山拓也 演出:ウォーリー木下 主演:加藤シゲアキ 2022/3/8-3/27 @PARCO劇場 2022/4/8-4/10 @森ノ宮ピロティホール <あらすじ> 築野家。一(はじめ)は弟・紘(つなぐ)と二人で母を見舞う。病室で母から紹介されたのは、「金沢…

私たちは『不要不急』に生かされている

舞台「モダンボーイズ」 主演:加藤シゲアキ 4/3-4/16 @新国立劇場 中劇場 stage.parco.jp 想いが風化しないために、一年前の記憶を必死に必死に掘り起こして、ここに残そうと思います。本当は、本人の口から思いを聞いて、ファンからのメッセージを聞いて…

重ならないその手を包み込むは私でありたい

シンメトリー:[名・形動]左右相称の意。物体もしくは美的対象の構成が中心軸をめぐってその色、形、性質が左右または上下に同形に配置され、両者が均整、相称な関係にあること。対称性。 コヤシゲの出会いから20周年、なんともおめでたい。 ちなみに私は現…

落ちない染みは糧となる

舞台「染、色」原作・脚本 加藤シゲアキ演出 瀬戸山美咲主演 正門良規 一度全公演中止の難を経て、無事東京・大阪公演を終えることができたこと、心から嬉しく思います。 東京公演の後に一度出した考察を、配信後に加筆・修正したものです。 それでは、加藤…